使用ガイド
Nutubeの構造
低消費電力 12mW/片ch
低電圧駆動 5Vより動作
高品質 国内生産
構造
直熱双3極管構造
電気特性
3極管特性
優れたリニアリティ
各種寸法
ピン配置・参考穴径
ピン配置
F1 : Filament 1(Left)
F2 : Filament 2(Center)
F3 : Filament 3(Right)
NP : No PinA2
GND : Internal shield, connect to GND
G1 : Grid 1
G2 : Grid 2
A1 : Anode 1
A2 : Anode 2
基板穴位置(穴径φ=1.0mmを推奨)
参考回路
Nutube 1段増幅回路の例
オーディオ特性1
VCC=12V
アノード負荷330kでの特性(参考値)
測定回路(上記の1段増幅回路をステレオ仕様にしたもの)
オーディオ特性2
周波数特性
歪み率曲線
電源電圧・負荷抵抗
歪み率曲線
80V以上でも瞬時に壊れることはないが、真空管の寿命が縮まる恐れなどあるため、保証外。
負荷抵抗推奨値:100kΩ~330kΩ
出力インピーダンス高くなるため、後段にバッファを置くことを推奨。
各VCC電圧での特性(参考値)
各アノード負荷での特性(VCC=12V)(参考値)
バイアス電圧・バイアス抵抗
グリッドバイアス電圧:2~3V(VCC=12V)
個体差を半固定抵抗などで微調整。一番ゲインが大きく取れる位置にバイアス電圧を設定する。
グリッドバイアス抵抗推奨値:10~33kΩ
正バイアスで使用するため、最大で30μA程度のグリッド電流流れる。グリッドバイアス抵抗はあまり大きな値にしない。
ハイインピーダンス信号を入力する際は、前段にバッファ推奨。
フィラメント定格・抵抗値
0.7V直接点灯
抵抗によるドロップ
フィラメント定格:0.7V 17mA(41Ω)
ハムノイズを避けるため、直列点灯が望ましい。
フィラメント-グラウンド間にコンデンサ(10μF程度)を挿入すると残留ノイズを低減できる。
なお、8pin(GND)はシールド効果を持たせるため、基本的に9pin(F2)とともにグラウンドに接続する。
各電源電圧での推奨抵抗値
2回路使用の場合
並列点灯
直列点灯
2回路点灯する場合、並列接続、直列接続の2通り考えられる。
並列接続の場合、左右のフィラメント電位等しくできる利点がある。
一方、直列接続にすると電流を並列接続に比べ半分にできるため、電池動作などには有利になる。
フィラメント定格についての注意点
-
フィラメントの定格(0.7V 17mA)は必ず守ること。
-
定格を超えるとフィラメントは容易に断線する。
-
2の写真のようにフィラメントが赤熱している状態で放置しないこと。
1.通常状態(フィラメント0.7V 17mA)
2.フィラメント異常赤熱(25mA)
振動対策
Nutubeは直熱管構造であるため、フィラメントの振動に由来するマイクロフォニック・ノイズが原理的に起こりやすくなっています。Nutubeへの振動は、主にマウント基板とNutubeの周りの空気からの2経路で伝わります。
以下に対策法を記載します。
1.マウント基板からの振動対策
右図のように、Nutube、もしくはNutube基板とメイン基板間にクッションを加えます。この場合、Nutubeの端子と基板を接続する線材も細くて柔らかい振動の伝わりにくい素材を使うことをお勧めします。
Fig.1
2.空気振動からの振動対策
空気の振動(音)がNutubeのガラス表面に伝わることにより、マイクロフォニック・ノイズが発生します。特に、金属を叩いた音など、高い周波数成分を含んだ音を拾いやすい傾向があります。対策としては、Nutube全体を箱に入れるなどして空気振動を伝わらないようにすることなどがあります。また、箱の内部の壁にゴム・スポンジなどを貼ることによりマイクロフォニック・ノイズの発生をさらに抑えられます。Nutubeの表面に重い金属板等を接着し、表面の振動を抑える方法もあります。
Fig.2
Nutube差動増幅回路
Nutubeを使った差動増幅回路を以下に示します。
・電源電圧:±12V
・出力インピーダンス 数百k ohm
受けの回路のインピーダンスは1M以上を推奨します。
・増幅度=1.75倍
*AR1/2大きくすると増幅率が大きくなります。47kの時におおよそGAINは1倍になります。
*出力レベルが安定するまで1~2分かかります。
*この回路は一般的な真空管にも応用できます。
*特許出願中です。
出力波形
Orange: OUT1
Green: OUT2
Input = 2 Vpp
Output = 3.2 Vpp (Amplification of x1.75)
Nutubeカソードフォロア
Nutubeを使ったカソードフォロア回路を以下に示します。
・電源電圧:±12V
・内部出力インピーダンス10k ohm
・増幅度=0.89(以下が論理図になります。)
・OUT1 最大出力電圧
=12.4Vpp (無負荷、最大入力13.9Vpp)
=1.5Vpp (負荷=10k、最大入力3.4Vpp)
=3.5Vpp (負荷=15k、最大入力6.6Vpp)
=5Vpp (負荷=22k、最大入力8.2Vpp)
=7Vpp (負荷=33k、最大入力 10.2Vpp)
=9Vpp (負荷=47k、最大入力12.3Vpp)
*出力電流を多くしたい場合(ヘッドホン等を駆動する場合)トランジスタ等を追加しOUT2から出力を取るようにします。
*出力レベルが安定するまでに1~2分程度かかります。
*この回路は一般的な真空管にも応用できます。
*特許出願中です。